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③-2 DPCデータの特徴と活用方法

■DPCデータとは


 DPCデータとは、DPCの導入の影響評価や今後の精度の見直しなどを実施するために、国が医療機関に提供をさせている医療データです。

 DPCデータを国に提供することで「データ提出加算」という、入院時に算定可能な加算が貰えるため、DPC病院以外の施設も含めて、約5000の病院が国に提出しています。

 DPCデータは単一のデータ(ファイル)を指すわけではなく、複数のファイルで構成されており、現在は7種類のファイルが存在します。厚生労働省へ提出する義務があるデータは、様式1、様式3、様式4、EFファイル、Dファイル、Hファイル、Kファイルとなります。

 各ファイルの概要は下図の通りですが、より詳細な情報については文末の「(参考)各ファイルの特徴」をご参照ください。


(図)DPC調査データ一覧


■DPCデータの活用方法


 実際にDPCデータがどの様な場面で活用され、どの様なことを把握できるのかについて見ていきましょう。活用方法を2つご紹介させていただきます。


(活用方法①)

 広く認知されている事例として、医療機関が収益改善や経営改善を目的にEFファイルを活用するケースがあります。EFファイルには入院ファイルと外来ファイルの2種類がありますが、いずれも診療報酬点上の診療行為/処方薬剤/材料を、いつ、どれだけ、どの患者さんに実施または使用したかが詳細に把握できます。

 例えば医療費適正化の観点では、後発医薬品(ジェネリック医薬品)をどれだけ使用しているかをEFファイルで評価します。使用量が多い薬剤をリストアップし後発品へ変更していく事で加算を取得することができ、収益状況を改善できます。

医療機器を購入する場合においても有用です。EFファイルにより医療機器購入後の診療報酬の算定件数が可視化できますので、購入後に想定した収益を生み出したかどうかを確認できます。


(活用方法②)

 Hファイルや様式1の情報は、主にアカデミアやヘルスケア企業が疾患ごとの治療実態や患者背景を把握するために活用します。

 例えばHファイルを見ることで、入院中の患者の医療や介護必要度の変化が確認できます。以下は脳血管疾患で入院した患者の事例です。


このようにDPCデータは様々な場面で活用されています。



(参考)各ファイルの特徴

・様式1ファイル

 入退院患者における簡易版の退院サマリで、退院する際に作られるデータです。主にカルテにより作成され、「DPC版カルテ」や「DPC版退院サマリ」と呼ばれております。患者の性別や生年月日、入退院年月日、病名・手術情報などのさまざまな診療録情報が記載されており、患者の概略を把握ができます。データ作成対象患者は、自費などを除いた公的保険診療退院患者となります。


・様式3ファイル

 施設の状況が把握できる施設単位の調査票です。病床数、入院基本料、加算算定状況、職員数などが把握でき、作成単位は医療機関となります。


・様式4ファイル

 医科保険診療以外の入院症例データ (自賠責、労災、正常分娩など) がどのくらいあるのかを把握する目的のために作成された症例調査票 (症例一覧表)です。調査票には治療内容の詳細情報は一切含まれません。退院する際に作られるデータであり、一覧表の作成対象患者は各医療機関の全退院患者となります。


・EFファイル

 入院診療時または外来診療時に月に1つ作成されるファイルで、「診療報酬点数上の診療行為、処方薬剤、材料をどれだけ実施または使用したか」という情報が詳細に記載されています。医療費を請求するレセプトには記載されない”包括データ (いわゆる”まるめ”など)“の検査等も記載されています。データ作成対象患者は、自費などを除いた公的保険診療患者となります。


・Dファイル

 厚生労働省が定める、病名や診療内容から定められる「診断群分類点数表」により算定した、患者に係った診療報酬請求情報が記載されたものです。診断群分類点数表により算定した包括診療報酬対象データのため、DPC病院のみに作成及び提出義務が発生します。データ作成対象患者は、DPCレセプト請求患者となります。


・Hファイル

 入院患者の中で重症患者をピックアップ (特定) する目的のために作成されたデータです。カルテに記載された情報を元に入院日別に重症度、医療・看護必要度に係る評価表の各評価項目の点数を記録したデータです。データ作成対象患者は、短期滞在手術等基本料を算定する患者、産科患者及び15歳未満の小児患者を除いた公的保険診療入院患者となります。


・Kファイル

 2020年の改定から新規に追加されたファイルです。生年月日、カナ氏名、性別から共通IDを作成し、記載したファイルになります。医事会計システム等で元となる入院EFファイルの症例ベースにデータを作成します。Kファイルを作成するためには厚労省が配布するソフトが必要となります。

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