あなどるなかれ! 対象集団の決め方
先日、コロナワクチン3回目の接種をしてきました。2回目と同様にきちんと接種後12時間後くらいから48時間まで発熱しました。この一連の反応が、ある種の「儀式」のような感じがしてきましたが、これが半年ごとにあるのもつらいなと思うのは私だけではないはずかと。
さて、そんな中、最近は定期的に大自然の中に溶け込んだり、あえて時間を作って「瞑想」っぽいことをやってみたりして、混乱している頭の中を整理したり、考え方をリセットしてみたりと、自分なりのON/OFFの付け方を試しているところです。(自宅でのんびりができないタイプなので。。。)コロナの影響で、コミュニケーションのスタイルや仕事のスタイルが変化してきている中で、皆さんどのようなメリハリの付け方をされていますか?時代に合わせたスタイルというのを模索しないといけないなと思います。
【研究対象の考え方】
今回は、今年度からチャレンジしている研修トレーニングでもテーマとして取り組んでいた「対象集団」について考えてみたいと思います。
研究の種類を2つに分けて整理してみたいと思います。1つが、従来の患者登録をしていく前向き研究。もう1つがデータベースを用いた研究。この2つは、このイメージように対象集団の決め方がされていると整理できます。
ここで実はポイントになるのは、対象者を決める判断がどうされるかという点です。データベースの場合は、目の前には取得してきているデータがあるだけ。しかもそのデータは、保険請求のためであったり、DPC調査のためであったりと、別の目的で取得しているデータです。ここにおいて、データベースにおいての対象集団の決め方が、従来のものとは異なるということは理解できます。
【データベース研究は観察研究】 データベース研究は観察研究です。製薬企業が従来やってきているRCTとは反対に位置する研究の一つです。観察研究と一言に言っても、さまざまです。とはいえ、データベースの活用が得意な部分は、対象集団の特性を観察することです。対象集団をデータの範囲で細かく集計をして、その集団の特性を「記述」することから始まります。対象集団と言っても、その集団にいろんな人がいれば、その特性には様々なノイズが含まれてしまい、結果として、集団を適切に記述できないということもあるのではないでしょうか。研究や調査の目的で対象集団の取り方をいろいろと検討しておく必要があると考えます。
【目的による対象集団の考え方】 GPSP省令が改正され、「製造販売後データベース調査」が可能となってからはや3年以上が経過しました。この間、さまざまな議論がされています。 「PMSにおける対象集団」 従来の調査票では、医師が患者を登録し、そして、フォローアップしています。ある意味、フォローアップしやすい患者を登録していることもあるかもしれませんし、医師側の考えが入っているところになります。 一方で、データベースを用いる場合、もう少し細かく検討する必要がありそうです。
実は分析対象とする人はデータベース上で登録はあるもののどういう取扱いをするのかの検討も重要です。この領域、視点が「アウトカムの確からしさ」に話題が集まりかけていますが、こうした点も考慮すると、どういう患者を調査したいのか、何のための調査なのかを考えるのも大事なことになります。
「メディカルアフェアーズにおける対象集団」 こちらは、エビデンス構築が目的の研究となるかと思います。そうした場合、その研究においてどういう人について述べているのか、述べたいのか、医療者に対してどういう人に対しての情報として届けたいのか、その視点が重要になるかと思います。当たり前のように感じるかもしれませんが、データベースで取得できる項目に制限があるので、検討を進めていくとこの視点を忘れ去られてしまうことも多々経験しています。 実はこうした考え方をうまく進めるためには、研究を進めるプロセスをもう少し柔軟にしていく必要があるかもしれません。前述した「従来の前向き研究」と呼ばれている集団の決め方とデータベースを用いた場合の決め方が必ずしも同じではないことから、それぞれの研究に合ったプロセスで進めていくことが重要かもしれません。
【私たちが支援できること】 今回お話をしたような「対象集団」の取り方について、ワークショップを通じて体験してもらえる研修プログラムも企画しています。取り組み方はさまざまですので、各社さんのスタイルに合わせて企画しています。実際の研究での支援もさることながら、こうした研修プログラムを実施してみるのもよいかもしれません。
お問い合わせはこちら:E-mail gterashima@jmdc.co.jp
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