予備調査って?①
皆さん、こんにちは。JMDCの寺島です。
先日、久しぶりに京都に行ってきました。季節も良くなってきたこと、感染者も下降傾向にあり、人々の活動が活発になってきていることもあり、6月に学会で歩いた時とは、比較にならないくらい多くの人がいました。また、外国人もチラホラ見掛け、2023年に向けてはこれまでより明るく活動ができるようになるのかなと思いました。
さて、今回はデータベース研究に取り組むときの予備調査について何回かのシリーズに分けてお話をしたいと思います。
データベース研究における予備調査
予備調査として何をすればいいのか?という質問をよくされます。あくまでも私見ですが、予備調査として何かやらないといけないことは決まっていないというのが答えになるかと思います。これを読んでいる皆さん、「こんなこと聞く人なんかいないでしょ?」と思われるかもしれませんが、初期の問い合わせとして多い質問のひとつです。
私自身は、予備調査は、『データベースでの研究での実現可能性があるかどうか』の検討をするものなのかなと思います。一般的にはデータベースありきで研究計画を立案することはあまりなく、研究テーマが先にあり、適切なデータベースを選択していくというのが流れになります。その中で、自分たちが設定した研究テーマやリサーチクエスチョンと呼ばれるようなものが、データベースからどこまで把握することができるのか、それを検討することが予備調査というものにあたると思います。
データベースから把握できるものの検討とは?
研究や調査を企画する場合、「研究の対象者」やどんなことを知りたいかの「アウトカム」ということを設定するかと思います。当然、知りたいことなので、対象者やアウトカムの検討を始める場合、データベースで取得できる情報かどうかはわかりません。
もちろん慣れた人であれば、感覚的にわかる部分もあるかもしれませんが、研究の精度をあげようと思えば、やはり、対象者を厳密に定義したり、アウトカムもより正確に取りたいとなるかと思います。そうした時に予備調査をとなるのではないでしょうか。
例えば、研究対象となる人の決め方です。傷病名のICD10分類だけで決めてしまっていいものなのか、何かしらの条件(医薬品の使用や処置の実施、病名条件の掛け合わせなど)を設定するなど、対象とする人の設定方法は研究で知りたいことにより様々です。
データベースの限界点という点では、シンプルにICD10コードで決めるというのは楽な方法ですが、果たして、そのコードが付与されているということだけで、対象者としていいのかどうか、対象とする人たちをどうデータからそれらしく定義するか、そこがデータベースでは重要なポイントになるかと思います。
また、アウトカムも同様です。どのように工夫すると欲しい情報が取得できるのかなど、データをどのように取り扱うかを検討することはとても重要なことになります。
こうした時に予備調査というものを行って、事前の検討を行うということになるかと思います。
データベースを用いるからこそのポイント
従来、前向き研究ということで、対象の症例を適格基準に応じて登録をし、そしてフォローアップしていくという形は、一般的な臨床研究としてはよく知られているかと思います。少しデータベース研究と比較するという意味で整理をしてみました。
考えるポイントやプロセスの違いなと取り組み方にも注意が必要かなと思います。
次回は、予備調査の事例をお話ししたいと思います。
お問い合わせはこちら:E-mail gterashima@jmdc.co.jp
Comments